光線療法Phototherapy

外用療法(塗り薬)で十分な効果が得られなかった場合や、乾癬患部が広い範囲にわたる場合は、光線療法を行っていきます。
乾癬の発症には、免疫反応が過剰になることが深くかかわっています。光線療法は、患部や全身に紫外線を照射することで、行き過ぎた免疫反応を抑制し、乾癬の症状を緩和する治療法です。
- 治療には、長波長紫外線(UVA)、または、中波長紫外線(UVB)が用いられます。
- 光線療法は、乾癬治療のほかに、アトピー性皮膚炎、白斑などの皮膚疾患でも広く用いられています。
- 治療は、外来もしくは入院で、それぞれ週数回ずつ行います。
- 紫外線になぜ免疫反応を抑える効果があるのかは、はっきりとはわかっていませんが、「細胞周期の停止」「サイトカイン発現の変化」「免疫抑制性の細胞の活性化」などが原因であることが示唆されています。
PUVA療法
PUVA(プーバ、ソラレン長波長紫外線、Psoralen Ultraviolet A)療法は、ソラレン(Psoralen)という紫外線を良く吸収する化学物質により紫外線に対する感受性を高めてから、長波長紫外線(紫外線A波)を照射する治療法です。
ソラレンの使用方法は、飲み薬として飲む方法、塗り薬として患部に塗る方法、お風呂に入れて入浴する方法(PUVAバス療法)の3種類があります。
Psoralen:ソラレン。柑橘類、イチジク、オランダビユなどに含まれる天然の有機化合物。紫外線をよく吸収する性質を持つ。
Ultraviolet A:紫外線A波、長波長紫外線
UVB療法
UVB(中波長紫外線、Ultraviolet B)療法は、中波長紫外線(紫外線B波)を照射する治療法で、PUVA療法と異なりソラレンを使用する必要はありません。
UVB療法の発展型として、高い治療効果を示す波長にしぼり余分な波長を除去したナローバンドUVB療法、さらに、小さな疾患にピンポイントで局所的に光を当てられるターゲット型光線療法(エキシマレーザー、平面発行ランプ)があります。
Ultraviolet B: 紫外線B波、中波長紫外線