逆乾癬(インバース乾癬、間質性乾癬、屈曲性乾癬)Inverse Psoriasis (IP), Intertriginous Psoriasis, Flexural Psoriasis

逆乾癬は、病変部に鱗屑がほとんど見られず、隆起せず滑らかな形をした乾癬です。
皮膚がよくこすれる場所に起こる乾癬で、肥満気味の方は特に注意が必要です。
逆乾癬(インバース乾癬、間質性乾癬、屈曲性乾癬)
どんな症状か?
逆乾癬は、他のタイプの乾癬と異なり、隆起せず滑(なめ)らかな形で、鱗屑(りんせつ。ウロコ状の乾燥したフケのような皮膚のかけら)はないかほとんど見られず、乾燥せず触ると湿っていることがあります。
鱗屑が見られない理由は、皮膚が頻繁にこすれあって剥がれ落ちるからです。
他の乾癬は、体の表面を広く覆うことがありますが、逆乾癬は光沢のある小さな赤、赤茶、紫色をしたパッチ(斑点)として現れる傾向があります。
深いしわにひび割れや出血が起きたり、痛みやかゆみを伴うケースもあります。
インバース乾癬、間質性乾癬、屈曲性乾癬とも呼ばれます。
起きやすい場所は?
逆乾癬は、皮膚と皮膚が頻繁に接触する部分に起きやすく、特に、脇の下、女性の胸(乳房)の下、おへその中、鼠径部(そけいぶ。太ももの付け根、下腹部の下の三角の部分)、太ももの内側、性器の周り、股間のしわ、臀部(でんぶ。お尻のこと)の周りや間、耳の後ろ、そのほかの柔らかい箇所やひだのある箇所などが、発症しやすい領域です。
どんな人がなりやすいか?
尋常性乾癬などの乾癬の症状のある肥満体質の方は、皮膚のひだが深くなるなどの理由で、逆乾癬を発症するリスクが高くなります。
同様に、深い皮膚のひだのある方も、逆乾癬を発症しやすくなります。
どんなことをするとなりやすくなるか?
他のタイプの乾癬と同様、肥満、タバコ、アルコール、特定の薬剤、感染症、皮膚の損傷、精神的ストレス、ビタミンD欠乏症などのほか、深い皮膚のひだの摩擦によっても起きやすくなります。
ケブネル現象が一因となっている可能性も指摘されています。ケブネル現象は、乾癬を発症していない場所を繰り返しこすったり搔いたりすることで、新たに乾癬が発症することを言います。ケブネル現象が起きやすい部分は、頭、肘(ひじ)、膝(ひざ)、腰周りです。
その他
逆乾癬の発症箇所は、真菌(カビや酵母の仲間)や細菌(バクテリア)に感染しやすく、特に前者による真菌感染症には注意が必要です。