膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)Pustular Psoriasis

皮膚の発赤とともに膿疱が生じるタイプの乾癬です。
膿疱は無菌性なので、他人に感染症がうつることはありません。
最も重症なタイプの乾癬で、厚生労働省の指定難病に定められている。
膿疱性乾癬
どんな症状か?
膿疱性乾癬は、全身にわたる皮膚の発赤(はっせき、ほっせき。皮膚が赤くなること)と落屑(らくせつ。死んだ表皮の細胞がフケのようにパラパラと落ちること)に加え、無菌性の膿疱(のうほう)が生じるタイプの乾癬です。膿疱は白または黄色がかった液体の入った袋で、内部には死んだ白血球などが入っています。無菌性なので、他人に病気がうつることはありません。
皮膚の疾患のほか、急激な発熱、全身倦怠感、悪寒、低タンパク血症などさまざまな症状も引き起こされ、最も重症なタイプの乾癬となります。
膿疱性乾癬は、膿疱が部分的または一時的に生じる限局型(げんきょくがた)膿疱性乾癬と、身体の広い場所に生じる汎発型(はんぱつがた)膿疱性乾癬に分けられます。「汎(はん)」は「広いこと」を意味します。
膿疱性乾癬は、重症度の高い場合、入院での厳重な治療が必要となります。厚生労働省により「難治性疾患克服研究事業」の「稀少難治性皮膚疾患」に指定されており(指定難病)、定められた基準を満たせば、医療費の公的な助成を受けられます。
どんなことをするとなりやすくなるか?
もともと尋常性乾癬を発症していた方が、妊娠、感染症、ホルモン、ストレス、薬剤などをきっかけとして膿疱性乾癬を発症するパターンと、乾癬の症状のなかった方が、ある日突然、膿疱性乾癬を発症する場合の、二つのパターンがあります。
現在、両者が似た病気なのか、全く違う病気なのかが議論されています。
IL36RNや CARD14という遺伝子の変異が関与していることが示唆されています。