乾癬のメカニズム、細胞内炎症反応促進性シグナル伝達物質、JAK

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細胞内シグナル伝達物質JAKIntracellular inflammatory response-promoting signaling molecule, JAK

乾癬

細胞内シグナル伝達物質JAK

細胞内での炎症反応促進命令のスタートを切る物質JAK

サイトカインを受け取った細胞の内部では、サイトカイン受容体から細胞核へ「炎症反応を起こせ」という命令の伝達が起こります。命令伝達の舞台が、細胞外から細胞の中へと移動するわけです。命令が細胞核へ伝えられると、遺伝子発現が変化し、細胞の働き方が炎症反応を促進する方向へとシフトチェンジします。

細胞表面のサイトカイン受容体から細胞核への命令伝達で、一番初めに仕事をする分子のひとつにJAK(Janus kinase、ヤヌス キナーゼ)という酵素タンパク質があります。JAKは、他の分子にリン酸をくっつける「キナーゼ」という酵素の仲間です。JAKが活性化されることで、引き続き細胞内での少々複雑なシグナル伝達が開始され、最終的に遺伝子の調節が炎症反応を促進する方へと変化します。

乾癬
サイトカイン、JAKを媒介とする炎症のシグナル伝達

サイトカインがサイトカイン受容体に結合すると、続いて、受容体から細胞核へとシグナル伝達が発生する。シグナル伝達の舞台が、「細胞→細胞」間から「細胞内」へと移ることになる。細胞内でのシグナル伝達で最初に働くのが、JAKという酵素タンパク質である。JAKの活性化のあと、何段階かの複雑な命令の伝達過程を経て、最終的に炎症反応促進の命令が細胞核内へと伝わる。こうして、細胞の働きが炎症反応促進へとシフトチェンジすることになる。

サイトカインの受容体への結合がJAKを活性化

JAKは通常時から活性な状態でいるわけではりません。JAKを活性化させるのは、サイトカイン受容体です。

他の細胞が分泌したサイトカインがサイトカイン受容体に結合すると、受容体の構造変化が起こります。すると、受容体はJAKと結合できるようになり、JAKを活性化させます。
活性化したJAKによって、今度は細胞内で炎症反応促進のシグナル伝達がスタートし、その命令は最終的に細胞核へと伝えられます。

現在、このような炎症反応促進のシグナル伝達が過剰になることが、乾癬が発症する原因の一つではないかと考えられています。

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サイトカイン結合によるJAK(ヤヌス キナーゼ)の活性化

細胞膜上に存在する受容体にサイトカインが結合すると、受容体の構造が変化します。構造変化した受容体はJAKと結合し、これを活性化させます。活性化したJAKにより、引き続き炎症反応促進のシグナル伝達が細胞核へと伝えられます。

kinaseとは、リン酸をくっつける酵素のことです。

JAKファミリー

JAKには、JAKファミリーと呼ばれる、分子構造や働きの似たいくつかのグループがあります。

  • JAK1(Janus kinase 1、ヤヌス キナーゼ1)
  • JAK2(Janus kinase 2)
  • JAK3(Janus kinase 3)
  • Tyk2(Tyrosine kinase 2、チロシン キナーゼ2またはタイロシン キナーゼ2)

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