炎症性サイトカインTNF-αInflammatory response-promoting cytokine TNF-α

炎症性サイトカインTNF-α
TNF-α(ティーエヌエフ-アルファ)は、炎症反応を伝達する際の代表的なサイトカインです。TNFは Tumor Necrosis Factor(チューマー ネクローシス ファクター、腫瘍壊死因子)の略で、最初は、ガン細胞の壊死を誘発する因子として発見されました。TNFには3つのグループがあり、そのうちの一つがこのTNF-αになります。
TNF-αは、炎症反応の司令塔である樹状細胞(DC、Dendritic Cell)、マクロファージなどの免疫細胞、表皮の角化細胞など幅広い種類の細胞によって産生されます。
命令を受ける側の細胞がTNF-αを受け取ると、その細胞内部では、今度は受容体から細胞核へ向かって、炎症反応促進のシグナル伝達が起こります。そして、核内の遺伝子発現が変化すると、細胞はその働きを炎症反応を促進する方向へシフトチェンジします。
TNF-αによる炎症反応促進のシグナル伝達
TNF-αは、樹状細胞や表皮角化細胞などによって産生される、炎症反応促進性の代表的なサイトカインである。TNF-αが命令を受ける側の細胞表面のTNF-α受容体に結合すると、今度は、受容体から細胞核へ向かって細胞内でのシグナル伝達が発生し、最終的に核内の遺伝子発現に変化が生じる。その結果、命令を受けた細胞は、炎症反応を促進する方向へ働きを変える。
TNF-αによる炎症反応促進のループ
乾癬治療を難しくしている点に、TNF-αによる炎症反応促進のループがあります。
TNF-αは、炎症反応の司令塔である樹状細胞(DC、Dendritic Cell)やマクロファージなどが産生しますが、その他に、炎症反応促進へ舵を切った表皮角化細胞や免疫系の細胞もこれを産生することができます。また厄介なことに、樹状細胞は、自身が産生したTNF-αを受容してしまうことも知られています。
TNF-αを受け取った側の細胞もTNF-αを産生するようになるわけですから、炎症反応を促進する動きが、周りへどんどんと広がっていくことになります。
- TNF-αを受容した表皮角化細胞が命令通り炎症反応へ舵を切ると、今度は表皮角化細胞もTNF-αを分泌し始める。
- 司令塔としてTNF-αを分泌する樹状細胞は、自身もまたTNF-αを受容し、炎症反応を促進する。
この現象は、なかなか排除できない手強い病原菌が侵入してきた場合には大変心強いのですが、一方で乾癬治療の治療を難しくしてしまっている要因でもあります。
TNF-αによる炎症反応促進のループ
樹状細胞などが産生したTNF-αにより、表皮角化細胞や他の免疫系細胞が炎症反応促進へ舵を切り、TNF-αを分泌するようになる。樹状細胞は自身もまた、TNF-αを受容することができる。このようにして、TNF-αを介した炎症反応促進のループができることになる。



