ビメキズマブ、Bimekizumab、IL-17a、IL-17a/f、IL-17f、インターロイキン-17

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「ビメキズマブ(Bimekizumab)」が厚生労働省より製造販売承認を取得Bimekizumab obtained manufacturing and marketing approval from the Ministry of Health, Labor and Welfare

ビメキズマブ(Bimekizumab)

乾癬に対する新たな生物学的製剤 ビメキズマブ(Bimekizumab)が製造・販売の承認を取得しました。

適用症は、尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症で、日本初のIL-17AとIL-17F両方を標的とする製剤となります。

剤形はシリンジまたはオートインジェクターで、抗体製剤を血中へ直接注射する治療法となります。

「ビメキズマブ(Bimekizumab)」が厚生労働省より製造販売承認を取得

一般名:ビメキズマブ(Bimekizumab)という乾癬に対する新たな生物学的製剤(抗体製剤)の製造・販売の承認が厚生省より得られたという報告が、メーカーより発表されました。
これに合わせて、2022年1月20日付けで、添付文書も公表されました。

第三相臨床試験をはじめとするいくつかの臨床試験で、好成績を上げたとのことです。

適用症は、尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症で、日本初のIL-17AとIL-17F両方を標的とする製剤となります。

剤形はシリンジまたはオートインジェクターで、抗体製剤を皮下へ直接注射する治療法となります。

メーカーページ

https://www.ucbjapan.com/sites/default/files/2022-01/%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%BC%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E6%89%BF%E8%AA%8D_JP-N-BK-PSO-2200004_3.pdf

添付文書

ビメキズマブ添付文書│独立行政法人医薬品医療機器総合機構

ビメキズマブの治療メカニズム(作用機序)

以下の文章では、混乱を避けるため、
タンパク質1分子の名称:IL-17A タンパク質、IL-17F タンパク質
サイトカインの名称:IL-17A サイトカイン、IL-17F サイトカイン、IL-17A/F サイトカイン
のように表記を明確化しています。

前提 炎症反応のシグナル伝達

乾癬の発症に関し指令塔的な役割をするTh17細胞が分泌するシグナル伝達物質に、IL-17A サイトカイン、IL-17F サイトカイン、IL-17A/F サイトカインがあります。

これらのサイトカインは、表皮の角化細胞に直接作用し炎症反応を促進させる働きがあるため、乾癬の発症に大変重要な分子であると考えられています。

乾癬
乾癬発症に関与する炎症反応の細胞間シグナル伝達(更新中)

Th17細胞が産生したIL-22やIL-17系サイトカインなどが、表皮の角化細胞に対し、炎症反応を促進するよう命令する。IL-17系サイトカインを産生する細胞は他にも存在するがここでは省略している。

これらのサイトカインは、2つのタンパク質が結合(ジスルフィド結合)してできた二量体と呼ばれる構造を取っています。
IL-17A サイトカインは、2分子のIL-17A タンパク質よりなるホモ二量体、IL-17F サイトカインも同様に2分子のIL-17F タンパク質よりなるホモ二量体、IL-17A/F サイトカインはIL-17A タンパク質とIL-17F タンパク質の2種類の分子よりなるヘテロ二量体です。

サイトカイン 構成タンパク質
IL-17A サイトカイン 2分子のIL-17A タンパク質
IL-17F サイトカイン 2分子のIL-17F タンパク質
IL-17A/F サイトカイン IL-17A タンパク質とIL-17F タンパク質が1分子ずつ

IL-17A タンパク質とIL-17F タンパク質は、アミノ酸レベルで約50%と高い相同性を有しており、乾癬の発症には特にIL-17A タンパク質が重要であると考えられています。

ビメキズマブの治療メカニズム(作用機序)

ビメキズマブは、IL-17A タンパク質とIL-17F タンパク質に特異的に結合する抗体の薬で、これらのタンパク質を構成成分とするIL-17A サイトカイン、IL-17F サイトカインおよびIL-17A/F サイトカインの働きを妨げることで、乾癬の症状を緩和すると考えられます。

通常は、Th17細胞から分泌されたこれらのサイトカインが、角化細胞や免疫系細胞などの標的となる細胞の細胞表面に設置されている受容体と呼ばれるタンパク質に結合することで、炎症反応促進の命令が後続の細胞へと伝えられます。

ビメキズマブがこれらのサイトカインに結合すると、サイトカインが受容体と結合することができなくなり、結果として後続の細胞への炎症反応促進の命令伝達がカットされることになります。

このようにして、ビメキズマブは、Th17細胞と後続細胞の間における炎症反応のシグナル伝達を抑制することで、乾癬の症状を緩和する働きを持つと考えられます。 

乾癬
ビメキズマブの標的サイトカインへの結合と乾癬の抑制

ビメキズマブは、IL-17A サイトカイン、IL-17F サイトカインおよびIL-17A/F サイトカインと結合することのできる抗体製剤である。乾癬の発症に重要な役割をもつTh17細胞が産生したこれらのサイトカインの働きを抑えることで、炎症反応の命令伝達をブロックし、乾癬の発症を緩和すると考えられる。

参考論文

Adams R, Maroof A, Baker T, Lawson ADG, Oliver R, Paveley R, Rapecki S, Shaw S, Vajjah P, West S, Griffiths M. Bimekizumab, a Novel Humanized IgG1 Antibody That Neutralizes Both IL-17A and IL-17F. Front Immunol. 2020 Aug 21;11:1894. doi: 10.3389/fimmu.2020.01894. PMID: 32973785; PMCID: PMC7473305.

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