「タピナロフ(Tapinarof)」が第三相臨床試験において尋常性乾癬の症状を優位に改善Phase 3 psoriasis studies of Tapinarof
「タピナロフ(Tapinarof)」が第三相臨床試験において尋常性乾癬の症状を優位に改善
タピナロフ(Tapinarof)という塗り薬が、第三相臨床試験において、尋常性乾癬の重症度を軽減したという論文が発表されました。
軽~重症の尋常性乾癬の患者さんに対し、一日一回、タピナロフクリームを塗布することで、12週間に渡り、尋常性乾癬の重症度が軽減したとのことです。 また、局所的な副反応もあり、今後、より規模の大きい長期的な試験が必要になるとのことです。
タピナロフの治療メカニズム(作用機序)に関連する知見
タピナロフは、アリル炭化水素受容体(AhR、Aryl hydrocarbon receptor)というタンパク質に結合する低分子の薬です。
AhRは、人類を含む哺乳類、両生類、爬虫類、鳥類と、脊椎動物の幅広い分類群の生き物が持っている、毒素を感知するための受容体で、ダイオキシンやベンゼンなどの芳香族炭化水素の結合をきっかけに、特定の遺伝子の発現を活性化することがわかっています。
AhRと乾癬に関し、これまでに以下のような報告が発表されています。
- AhRが、Th17細胞への分化誘導に関連していることが示唆されている。
- Th17細胞は乾癬の発症に重要な枠割を担う細胞で、IL-17(インターロイキン-17)を産生する。
- IL-17は、表皮の角化細胞に作用し、炎症性作用を活性化させる。
- IL-17の一種であるIL-17Aが、皮膚のバリア機能に関連するタンパク質群(フィラグリン(filaggrin)、ロリクリン(loricrin)、インボルクリン(involucrin)など)の発現に関連していることが示唆されている。
今後、詳細が分かり次第、随時内容を更新していきます。